
日本の住宅では昔から一般的なのが「木造建築」ですが、近年は木造建築以外にも「RC造(鉄筋コンクリート)」を選ぶ方も増えています。
そこで今回は、家づくりの基礎となる建物の構造の違いについて知るために、構造の特徴はもちろん建築費や固定資産税の面からも解説をしていきます。
住宅の構造について

まずは木造とRC造が、それぞれどのような構造なのかという部分についてお話をしていきます。
また、戸建て住宅で使われることはほとんどありませんが、構造体の比較のためにS造やSRC造についても触れていきます。
具体的なプランに入る前に、ある程度構造についての知識を持っておくと打ち合わせもスムーズに進みやすいので、ぜひ覚えておきましょう。
木造
木造住宅は日本人にとって最も馴染のある住宅構造で、主に木材が枠組みとなって構成されています。
もう少し詳しく見ていくと、木造には「木造軸組工法(在来工法)」と「枠組壁工法(ツーバイフォー)」のふたつの種類があります。
木造軸組工法は柱と梁を使用して建物を支える構造のことで、日本の伝統的な建築方法のひとつです。
対して、枠組壁工法は比較的新しい建築方法で、壁や床の枠組みに木材を張り付けていきます。
RC造(鉄筋コンクリート)
RC造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせることにより高い強度を実現した建築方法のことです。
強度が必要になる高層ビルやマンションで広く採用されていますが、打ちっぱなしコンクリートのデザインや耐用年数の高さが注目を集め、一般住宅でも使用されるようになりました。
ちなみに法定耐用年数は47年となっています。
S造(鉄骨)
S造は大規模な建物に使われることの多い構造で、建物の構造のメインとなる柱や梁を鉄骨のみで作っています。
S造には『重量鉄骨造』と『軽量鉄骨造』の2種類があり、主に高層マンションや低層アパートに用いられている構造です。
コンクリートを使わないため、建物全体の軽量化を図ることができます。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)
SRC造は鉄筋コンクリートに鉄骨が加わった構造のことで、別名『鉄骨鉄筋コンクリート造』と呼ばれています。
主にマンションやビルなどの中高層建築に多く採用されています。
高い耐震性と耐火性を持ち、ワイドスパンの建築計画ができるため空間のロスも最小限にすみます。
木造のメリット・デメリット

身近な存在である木造住宅ですが、住宅の構造を木造にすることで得られるメリット、またデメリットについて気になりますよね。
そこでここでは、木造のメリット・デメリットについてお話をしていきます。
メリット
木造住宅のメリットは、木材ならではの木の温もりや、木材の吸湿性の高さにより通気性のいい室内を保つことができる点です。
木材は軽量で施工がしやすいため、RC造と比べて工期が短く複雑な間取りにも対応できます。
デメリット
木造住宅のデメリットは、耐火性が低く害虫や自然災害に弱い点です。
災害に強い家にするために、部材の補強や定期的なメンテナンスが欠かせません。
また木造住宅はRC造に比べて耐用年数が短く、不動産価値としては低下しやすい一面もあります。
RC造のメリット・デメリット

木造がどのようなものか知っていただくことができたかと思います。
では、RC造のメリット・デメリットについても一緒に見ていきましょう。
メリット
RC造のメリットは、耐久性の高さにあります。
鉄骨とコンクリートで構造体を造るため、強度が高く、防水・防火面でもその強さを発揮します。
遮音性が高いことも特徴のひとつで、住宅全体の防音性が高くなります。
デメリット
RC造のデメリットは構造体がしっかりしている分、資材搬入や施工に時間がかかります。
また、RC造は木造に比べて耐久性は高いものの、メンテナンスによる維持費が高くなる傾向にあります。
木造とRC造の建築費用

ここまでで木造とRC造のそれぞれの違いについて、知っていただくことができたかと思います。
ではここからは、実際に注文住宅を建てる際に必要となる建築費用についても、木造とRC造にどの程度違いがあるのか一緒に見ていきましょう。
木造の建築費用
木造の注文住宅では、1坪あたり50万円~80万円程度が相場とされています。
ローコスト住宅を選ぶことでさらに安くなり、坪あたり30万円~50万円程度が相場とされています。
ローコスト住宅については『ローコスト住宅の特徴やメリット・デメリット』で詳しく解説をしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
RC造の建築費用
RC造の注文住宅では1坪あたり90万円~100万円とされています。
木造住宅と比べると、坪単価がかなり高くなることが分かりますね。
RC造は木造に比べて耐久性が高く、施工期間が1~2ヵ月程度長くなるためその分単価も高くなるのです。
木造とRC造の固定資産税

木造とRC造で検討する際には、それぞれのメリット・デメリットだけではなく、施工期間や建築費用についても視野に入れる必要があります。
ここでもう一点、建築費用以外でみなさんに知っておいていただきたい、木造とRC造の固定資産税の違いについても触れておきます。
固定資産税はRC造が1.3倍高くなる
固定資産税とは、持っている不動産の価値に対して課される税金のことです。
木造とRC造を比べた場合、不動産の価値としてはRC造が高いとみなされるため、平均してRC造の固定資産税は木造の1.3倍ほど高くなる傾向にあります。
建物の間取りや設備によっても変わる
固定資産税はRC造だから必ず木造の1.3倍になる、というわけではありません。
あくまで平均的な数値です。
間取りや建物の広さ、採用している設備などによっても変わる数値です。
ただしRC造を希望している方は、木造よりも固定資産税が高くなる傾向にあるということは知識として持っておく必要があります。
まとめ
今回のコラムでは木造とRC造についてお話をしてきました。
木造とRC造ではできる間取りや設計内容も変わってくるため、家づくりにおいてもとても重要な部分です。
弊社では「無料の家づくり相談窓口タテカタ」を開放しておりますので、家づくりに関して相談したいことや聞いておきたいことなどがございましたら、お気軽にご利用くださいね。