
「来週は施主検査です。傷を見落とさないようにしないと……」
完成した家を見られるのは楽しみ。でも、ここで何か見逃したらと思うと、胃がキュッとなりますよね。
鹿児島の家づくり相談窓口タテカタの、たっちゃんです。僕はこれまで130棟以上の家づくりに関わってきました。引き渡し前には「どこを見ればいいですか?」という相談も寄せられます。
傷や汚れの確認は大切です。ただ、それだけで時間を使い切ってしまうと、毎日の暮らしに関わる確認が抜けることがあります。
僕がお伝えしたいのは、①打ち合わせどおりか、②実際に使えるか、③指摘した後の対応が決まっているか、の3つ。あなたが一人で家の不具合をすべて見つける、という話ではありません。住宅会社と一緒に、安心して暮らし始めるための確認をしましょう。
1.鹿児島の家づくりでも、施主検査は「打ち合わせとの照合」から

施主検査は、引き渡し前に施主が住宅会社と完成した家を確認する機会です。住宅会社の社内検査や、専門家による検査とは役割が異なります。
僕が施主検査について話した動画でも、最初に挙げたのは仕様の確認でした。仕様とは、棚の高さや奥行き、扉の色、コンセントの位置など、打ち合わせで決めた中身のことです。
特に見てほしいのは、途中で一度でも変更したところ。「最初はこれにしたけれど、次の打ち合わせで変えた」という箇所です。設計、営業、現場など複数の人が関わるため、伝達の行き違いが起きることがあります。
持っていくのは、最新の図面と変更の記録
当日は、住宅会社と共有した最新の平面図、仕様書、変更内容が分かるメールやLINEを用意しましょう。棚などを正面から描いた展開図があれば、高さや奥行きも照らし合わせやすくなります。
例えば「洗面横の棚を低くした」「収納の棚板を増やした」「このコンセントだけ高さを変えた」。事前に変更箇所を一覧にしておくと、現場で順番に確認できます。
動画では、僕自身の家でも、希望していたダイニング付近のコンセントが反映されていなかった話をしています。だからこそ、記憶だけに頼らず、実物と記録を並べることを勧めています。
「言ったはずなのに」と責めるより、「この記録ではこうなっていますが、今の状態と一緒に確認できますか?」と伝えてみてください。認識の違いがあれば、その場で整理する材料になります。
電話で決めた内容も、後から文章で確認しておくと役立ちます。住宅リフォーム・紛争処理支援センターも、打ち合わせ内容を書面にして双方で共有することを案内しています。出典:同センター・新築住宅のトラブル防止に関する事業者向け資料
2.ドア・窓・設備は「暮らす動き」で確かめる

図面に合っていることと、実際に使いやすいことは、同じではありません。ここは見て回るだけでなく、手を動かして確かめたいところです。
僕が動画で紹介したお客様の例では、パントリーの近くに照明があるので足りると思っていたものの、完成後に壁の影響で中が暗いと分かりました。図面だけでは気づきにくいことが、現場で見えてくるのです。
開ける、閉める、歩く、つける
まず、ドアや窓を住宅会社の担当者と開け閉めしてみましょう。重さや引っかかり、取っ手のがたつき、鍵のかかり方など、気になった感覚をそのまま伝えて大丈夫です。無理な力は加えないでください。
室内ドアは、開けたままの状態を見るだけでは分かりません。閉めたところから入ってみる。通り抜けてみる。置く予定の家具の寸法も踏まえて、扉が当たらないかを担当者と確認します。
照明も「全部つくか」だけでなく、玄関からリビングへ、寝室から廊下へと歩きながら、必要な場所でつけたり消したりできるかを試しましょう。人の動きに反応する照明は、反応の仕方や設定方法も聞いておくと安心です。
水回りは、通水できる状態かを事前に確認し、担当者と一緒に水の出方・排水・見える範囲の漏れを確かめます。床下に潜ったり、機器を分解したりする必要はありません。見えない配管などは、住宅会社がどのように確認したか説明を求めましょう。
鹿児島で、降灰を考えて室内干しを計画した家なら、物干しの位置や高さも確認したいところです。洗濯かごを運ぶ動きや、掛けた衣類と通路の関係を想像してみてください。これは地域の暮らしに合わせた確認の例です。
なお、「決めた内容と違う」と「実物を見て希望を変えたい」は分けて相談しましょう。後者は追加費用や工期の変更が必要な場合があります。変更できると決めつけず、対応の可否と費用を確認してから依頼します。
3.指摘した箇所は「対応と再確認」まで決める

検査で気になるところを見つけたら、伝えて終わりにしないことも大切です。
僕の動画では、施主検査と引き渡しの間に余裕が少なく、直す時間を取りにくいケースにも触れました。検査日だけでなく、補修と再確認にどのくらい時間を取れるのか、前もって聞いておきたいところです。
ここからは、その考え方を当日の記録に落とし込むための提案です。部屋名・場所・気になる状態を写真と一緒に残し、住宅会社と同じ一覧を共有しましょう。傷や汚れも、この一覧に含めます。
そのうえで、「どのように対応するか」「誰が窓口か」「いつまでに対応するか」「いつ、どうやって再確認するか」をそろえます。その場で判断できないものは、回答をもらう日を決めておくと、置き去りになりにくくなります。
補修が済んだら、該当箇所を実際に確認する機会を相談してください。引き渡しまでに残る事項がある場合も、内容や今後の対応を曖昧にせず、説明を受けて記録に残しましょう。
「細かいことを言ったら嫌がられるかな」と飲み込まなくて大丈夫です。うまく説明できないときは、「ここが少し気になります。一緒に見てもらえますか?」で十分です。
施主検査でよくある質問
Q.傷は後回しにして、確認しなくてもいいですか?
A.いいえ。傷や汚れも引き渡し前に確認し、記録して共有してください。伝えたいのは「傷を無視する」ではなく、「仕様や動作の確認も忘れない」ということ。後からすべて無償で直せる、という意味ではありません。
Q.全部を自分でチェックする自信がありません。
A.専門家と同じ検査を、あなた一人で行う必要はありません。住宅会社の検査内容を聞き、必要に応じて第三者の建築専門家への依頼も検討しましょう。その場合は、見る範囲・費用・日程・立ち会いの可否を事前に確認してください。
Q.引き渡し後に気づいたら、もう相談できませんか?
A.気づいた時点で写真や発生日を記録し、住宅会社へ連絡しましょう。対応は不具合の内容や契約・保証などによって異なります。「検査で見落としたから全部自分の責任」と、一人で結論を出さないでください。
引き渡し前の「何となく不安」も、そのまま相談を
家づくりの正解は一つじゃない。だから、チェック表の項目を埋めるだけでなく、あなたがその家でどう暮らすかを重ねて確かめてほしいと思います。
タテカタは、住宅会社選びだけでなく、契約後から引き渡しまでの困りごとの整理もお手伝いしています。相談は無料。提携住宅会社からの紹介料で成り立つ、保険の窓口と同じ仕組みです。
まずはLINEで、「施主検査で何を聞けばいいか分からない」と、そのまま僕に聞いてください。図面や気になる点を一緒に整理しましょう。
LINEに登録した方に、「家づくりの疑問300選」と「間取り100選」をお渡ししています。
参考:家づくりナビゲーター たっちゃんねる「【注文住宅】施主検査の制限時間は2時間。小傷のチェックを後回しにすべき『取り返しのつかない』不具合とは? #施主検査」(2026年10月2日内容確認)。この記事の図面・動作確認の実例は、たっちゃん本人の施主検査に関する動画をもとに再構成しています。検査に使える時間は住宅会社と個別に確認してください。住宅リフォーム・紛争処理支援センター「新築住宅のトラブル防止に関する事業者向け資料」(2023年7月改訂版/2026年10月2日確認)。
