
「収納も欲しい。洗濯もラクにしたい。リビングも広くしたい……。こんなに言うから、間取りが決まらないのかな」
打ち合わせのたびに図面が増えて、見比べるだけで肩がこわばる。楽しみだった家づくりが、いつの間にか宿題みたいになっている。そんなあなたに、伝えたいことがあります。
要望が多いことだけを、原因にしなくて大丈夫です。「何が欲しいか」は伝わっていても、「なぜ欲しいか」が、まだ共有できていないのかもしれません。
鹿児島の家づくり相談窓口タテカタの、たっちゃんです。今日は、①今の暮らしの困りごと、②かなえたい理由と優先順位、③家具と家族の動き。この3つを整理して、次の打ち合わせにつなげる話です。
むずかしい話はしません。あなたが自分で図面を描けるようになる必要もありません。間取りは、部屋の配置だけでなく、毎日をどう過ごすかを考えるもの。まずは、暮らしの言葉に戻してみましょう。
① 鹿児島の間取りづくりは「今の困りごと」から

「収納を増やしたい」と思ったら、何を、どこに片づけたいのか。ここまで分かると、住宅会社も提案を考えやすくなります。
僕は間取りの動画で、収納は量だけでなく、使いたい場所の近くにあることが大事だと話しています。収納がたくさんあっても、着替えるたびに遠くまで取りに行くなら、毎日の小さな負担は残りますよね。
実際に動画で紹介した相談では、洗濯まわりに収納を増やしたいという希望がありました。隣にあったリビング収納を分け、一部を洗濯まわりから、残りをリビングから使える形に見直したんです。家を大きくする以外にも、使いやすさを考える方法がありました。
もちろん、どの家でも同じように変更できるわけではありません。大切なのは、「収納を増やす」という答えを先に決めず、「洗濯のあと、何が不便なのか」を伝えることです。
まずは、今の家で困る場面を3つ書く
例えば、「帰宅した荷物を置く場所がなく、食卓にたまる」「洗った服をしまうまでに、何度も部屋を往復する」「朝、身支度をする場所が重なる」。新居で欲しい部屋の名前より、具体的な場面を書いてみてください。
鹿児島なら、桜島の灰が気になって外に干しにくい日に、どう洗濯をしたいかも考えたいところです。室内に干す場所が欲しいのか、乾いた服をしまうまでを短くしたいのか。あなたの暮らし方によって、必要な工夫は変わります。
打ち合わせでは、「ランドリールームが欲しい」に加えて、「干した服を別の部屋へ運ぶ回数を減らしたい」と伝える。理由が見えると、別の配置でも希望に近づける可能性があります。
② 「かなえたい理由」と「優先順位」を分けて伝える

要望を全部、同じ強さで並べると、何を先に守るかが見えにくくなります。でも、優先順位をつけることは、好きなものを片っ端から諦めることではありません。
例えば、家族が集まって座れることを大切にしたいのか、洗濯の手間を減らしたいのか、帰宅後すぐに手を洗いたいのか。まずは家族それぞれが「いちばん変えたい毎日の場面」を出してみてください。
僕の動画では、キッチンの近くに水まわりがある案と、玄関から水まわりに行きやすい案を見比べた相談を紹介しています。どちらにも良さがありました。そこで大事になるのは、「一般的に便利なのはどっち?」ではなく、「あなたの生活に合うのはどっち?」なんです。
料理と洗濯を続けてする人なら、近さが助けになるかもしれません。一方で、帰宅してからの動きを優先したい人もいます。同じ配置を、誰にでもすすめられるわけではないんですね。
要望を「目的」と「方法」に分ける
「広いリビングが欲しい」は方法。その奥にある「家族が一緒にいても窮屈に感じたくない」が目的だとしたら、家具の置き方や通り道も検討できます。逆に、広さそのものが大切なら、その理由も遠慮なく伝えてください。
要望の横に、「必ずかなえたい」「できればかなえたい」「別の方法でもよい」とメモしてみましょう。夫婦や家族で意見が違ったら、先に多数決にせず、それぞれが困っている場面を聞く。最初から一つの意見にそろっていなくても大丈夫です。
住宅会社には、「この暮らしを優先したいです。今の広さや予算の範囲で、別の方法はありますか?」と聞いてみてください。敷地や構造などの条件もあるので、実現できることと難しいこと、その理由も一緒に確認したいですね。
③ 家具と家族の動きを、図面の上で確かめる

図面の部屋の広さだけを見て、「何となくよさそう」で選んでいませんか? 僕が動画で紹介した失敗例に、図面に描かれたソファーより実際に買ったソファーが大きく、通り道が狭くなってしまった話があります。
同じ「3人掛け」というイメージでも、商品の大きさまで同じとは限りません。持っていく家具は実際の幅や奥行きを測る。買う予定の家具は候補の寸法を調べ、図面に反映してもらう。ここまで確かめると、部屋の使い方が想像しやすくなります。
次に、図面の上で一日を過ごしてみてください。朝起きて着替える。買い物から帰って食材をしまう。洗濯して、干して、取り込んで片づける。帰宅が重なるときは、家族が同じ場所を通れるかも考えます。
歩く線だけでなく、使う場面まで見る
人が移動する道筋を「動線」といいます。ただ、線が短ければ、それだけで暮らしやすいとは言えません。椅子に座った人の後ろを通る、収納の扉を開ける、洗濯かごを持って移動する。その場面まで想像して、担当者と確認しましょう。
僕は、家具の配置を考えてからコンセントの位置を決めることも動画でお伝えしています。ベッドの向きや机の位置が決まると、どこで充電したいかも変わります。部屋の形だけでなく、そこに置くものを一緒に見ることが大切なんです。
広さを実感しにくければ、近い大きさの部屋や家具配置を見学できるか聞いてみるのも一つです。図面や完成イメージだけでは分かりにくい部分を、現地で確かめる材料にしてください。
間取りが決まらないときは、要望を責めず整理しよう

何か月も住宅会社と話して、間取りが決まらなかった方が、タテカタに相談に来られたことがあります。僕が第三者の目で希望と暮らしを整理し、図面を見直したことで、間取りが決まりました。
これは、住宅会社が悪かったという話ではありません。別の視点が入ることで、伝えたかったことが整理される場合がある、ということです。同じようにすぐ決まると約束するものでもありません。
家づくりの正解は一つじゃない。要望を増やすか減らすかの前に、困りごと、優先順位、実際の使い方を見直してみましょう。次の打ち合わせに持っていくのは、完璧な間取り図ではなく、あなたの暮らしが伝わるメモで大丈夫です。
よくある質問
Q.SNSで見つけた間取りを、そのまま見せてもいいですか?
A.もちろんです。「どの部分が好きか」「どんな暮らしをしたいか」も添えてください。敷地や家族の生活が違えば、そのまま取り入れにくいこともあります。写真は希望を伝える材料にしましょう。
Q.家族で優先順位が違ったら、どうすればいいですか?
A.それぞれが、今困っている場面と、変えたい理由を書いてみてください。相手の希望を削る話から始めず、両方の目的をかなえられる方法がないか、住宅会社やタテカタと一緒に整理しましょう。
Q.もう打ち合わせが進んでいても相談できますか?
A.大丈夫です。タテカタでは、今の図面や要望を第三者の目で確認します。ただし、変更できる範囲や費用、工程への影響は進み具合で変わります。変更を決める前に、担当住宅会社へ確認してください。
「家は3回建てないと分からない」と言います。でも、初めての家づくりで、あなたが一人で全部を見抜く必要はありません。
タテカタの相談は無料です。提携住宅会社からの紹介料で運営する、保険の窓口と同じ仕組みで、あなたから相談料はいただきません。
LINEに登録した方に、「家づくりの疑問300選」と「間取り100選」をお渡ししています。「何が気になるのか、うまく言えない」からでも大丈夫。気になることを、そのまま僕に聞いてください。
本文で紹介した僕の動画:家づくりナビゲーター たっちゃんねる「【注文住宅】『使いやすい間取り』にしたはずが住んで絶望したNGパターン5選」(動画内容を2026年9月29日確認)。
